意志を持ったカード。

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カードには、精霊が付いている。それに気がついたのは、ついさっきのことだった。

我はカードに宿る精霊。そなたは選ばれたのだ。カードは全部で13枚。そして、それらのカードは、それぞれが意志を持ち、「適正者」と呼ばれる持ち主、マスターによって、一人1枚ずつカードを手にする。そして、適正者達は、カードで戦い合うのだ。負けたものは、恐ろしいことが起こる。

恐ろしいことって、負けるとどうなるの?

「奪われる。」何を奪うかは、相手の持つカード次第だ。昨日の、「小早川アルト」との戦いで、お前は、「星の運」を奪われた。常に不運に見舞われるのだ。

カードを奪われなかったのは、不幸中の幸いね。アルトはこのルールのことを知らなかったのかしら。おかげで、今日は朝、不運にも目覚まし時計が鳴らないし、目玉焼きは焦げてるし、ついでに、学校に行けなかった。

「適正者」野田ミナミよ、お前はどうするつもりだ。「星の運」を失ったお前が、カード勝負で勝てるとでも思うか。

もし、私がカードで勝ったら、相手はどうなるの?13枚のカードを集めると、どうなる。

「時間」を奪う。具体的には、我に負けたものは、意識を失い、この世界から消える。13枚のカードがすべて揃えば、元に戻るのだ。

 そう、やっぱり、私はついているわね。それなら、なんの問題もないわ。これ以上被害者が出る前に、13枚のカードを持つ、13人の適正者を、全員倒せばいいだけのこと。運の介在する余地がないくらい、相手を叩きのめせばいいだけのこと。

この日から、この街で失踪事件が相次ぐようになる。こうして、戦いは始まったのだった。

私が「適正者」になったカードは、「竜の巫女」。「時」を象徴するカード。この13枚のカードを賭けて、「適正者」同士で戦い合う。戦いに負けると、どうなるの?

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