1話「物語の終わり」と「始まりの魔女」

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のちに魔王の城と呼ばれる孤島があった。
オレ達3人「オルガ」「レナ」「ルーネ」は
この孤島に住む住人の一人だった。

今でもよく覚えている。
「レナ」は、よく「ルーネ」を連れて海岸に遊びに来た。
オレはというと、ついでに引っ張り出された。

「レナ」は怪しい研究をしている一族の末裔であり、島の人々は誰も近づかなかった。
「レナ」にとって、「ルーネ」は唯一の気の許せる友達であったのだと思う。

「ルーネ」は、次第に海岸に来なくなった。
彼女は、不治の病におかされており、間もなく亡くなった。

それ以来、オレは「レナ」に会っていない。
どうも不安になり、彼女の家を訪ねて行った。
最後にあってから、10年後のことである。

大きな家の中にあったのは、言葉を失うようなものばかりだった。
「人と魚を組み合わせた人魚」
「人の言語をしゃべる獣」
「氷付けにされている人間の頭」
奥に案内された先にあったのは、「ルーネ」だった。
もはや人と呼べないその物体は、数々の獣を組み合わせて、無理やり合成されたものだと
一目で分かった。

一言で言うと、彼女は、完全に狂っていた。
彼女は昔と変わらない笑顔で、恐ろしい実験の数々をオレに淡々と説明した。

迷う必要はないくらいに。
オレは、持っていた天使の羽を付けた弓を、「レナ」に放った。

「天使の羽」。こいつは魔女にとっては猛毒となる。
魔力を持つ者にとっては、これは致命傷となる。

その後、オレは残りの怪物たちを出来る限り多く破壊し、処分しようとした。
しかし、出来なかった。怪物たちは多く、オレの手には負えなかった。
出来る事なら、怪物にされた「ルーネ」だけはオレの手で始末したかった。

誰か、彼女を止めてほしい。「レナ」は「ルーネ」の病気を治したかった
だけなのだ。それだけは間違いないとオレは言える。

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私が気が付くと、「オルガ」は絶命していた。
「天使の羽」の矢を受けて、私の命もそう長くはないだろう。

考えていたことがある。
「転生」の魔術を使い、永遠の命があれば、この歪な生物の錬金術は、
完全な形で生まれ変わるだろう。

私は「転生」の魔術を使った。それ以降のことは覚えていない。
この孤島は魔物達の住む地獄となった。

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