Elements of Alchemist -Story-

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3.12 魔王と闇と魔女


私たち勇者レイス一行は、とうとう「魔王の城」に上陸した。かつてルーネ教の聖地と呼ばれていた場所だ。
向かう先は、魔王の玉座。一気に決着をつけるべく、私たちは城の真ん中から正面突破を図った。

海の神リバイアサンを突破されるとは思っていなかったのか、城には敵はほとんどおらず、大して強くないモンスターばかり。
迷うことなく、階段を駆け上り、城のてっぺんへと進んでいく。

そうして、ようやく私は、魔王のいる王宮の広間に到着した。
そこに、魔王はいた。玉座に座っている。

「ようこそ。勇者レイス。魔女ナルシア。そして久しぶりね。以前会った時は10年も前だったかしらね。そっちは仲間の戦乙女と、法術士かしら。」

一見幼い少女を思わせる外見。しかしながら一目で途方も無い魔力と異様な力を感じる。

「あなたに聞きたいことがあります。」
法術士リーナは問いかける。

「何だ、人間。」

「あなたは、かつてルーネ教の神、ルーネ様に使える水の魔法使いだったと聞いています。なぜ、そんな方が人々に危害を加えるのですか。」

「水の魔法使い。そういえばそんなことを言われていたこともあったな。」

そういえば、アルケミストの少女が話していた。ルーネを蘇らせる為に、水の魔法を極め、そして最後には「魔王」を作り出し、
自身は転生の魔法を使い命を絶ったと。

「そうだ。我は確かに。水の魔法使いと呼ばれていた存在だ。だが、その切れ端とでもいうべきか。」

闇の魔王は以下のようなことを語った。
水の魔法使いは、ルーネを蘇らせる過程で、3つの魔術をつくりだした。
「不老不死」「魂の転生」「知識の次元化」

まず試したのは、不老不死だった。だがこれは失敗した。
体は若さを保つことが出来ても魂の方はそうはいかない。
時間がたつにつれ、徐々に魂は汚れ、闇に落ちていってしまうことが発覚したのだ。
水の魔法使いは、「不老不死」となった自らの肉体と魂の一部を切り捨て、
残る「魂の転生」と「知識の次元化」に望みを託した。

「そうそれが我だ。水の魔法使いの邪悪なる部分のみが純化し、不老不死となった姿。
そして、それがお前たちのいうところの、魔王となったわけだ。」

「戦わない道はないのでしょうか。」

「地下を見るがよい。」

「これが、水の魔法の究極の姿だ。ゲノムスライム化した人間だ。
ルーネはゲノムスライム化しても死んでしまったが、これはかつてこの魔王に挑んだ愚か者で作ったゲノムスライムだ。
魔物たちを作り出している。何人の人間を生贄にしたか。ククク、もう数えられないほどだ。」

「ひどい・・・。」
「あなたは、ルーネ様を、人々を救う為に不老不死の力を手にしたのではないのですか?」

「言っただろう。私は水の魔女の切れ端だ。このバケモノが人間どもを滅ぼすと思うと、笑いが止まらなくてな。」

「おしゃべりは、ここまでだ。魔王!オレがお前を倒す!」
「そのバケモノもろとも、焼き払ってあげるわ!」

戦いは、はじまった。

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