home > 小説 > 3章「煉獄の王国魔女ナルシア」 > 3.7 勇者と魔女と騎士王
「ようこそ。貴方達が来ることは、知っていたわ。」
大きな古びた帽子は高齢の魔女を思わせるが、それに不釣り合いなあどけなさを感じる少女。しかし、その瞳の中に眠る狂気のようなものは、やはり魔女であることを思わせる。
「久しぶりだな。ナルシア。」
「ええ、もう10年ぶりくらいかしら。」
魔女は、昔話を語る。
あるところに、騎士王ロイヤルナイトと呼ばれる勇者がいた。その勇者は、魔王と呼ばれる存在から王国を守る為に、魔王の城へ向かった。そして、二度とは帰って来なかったのだ。勇者には、故郷の孤児院に2人の教え子がいた。それがレイスとナルシアだった。勇者はレイスには剣を、ナルシアには魔法の戦い方を教えた。
「あの時から、オレは剣の腕を磨いた。この、騎士王の剣、聖剣ロイヤルソードで魔王を倒す為に。」
「あの時から、私は煉獄の魔術を極めた。魔法で魔王を倒す為に。」
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魔女の森から、王国の酒場へとやってきた。目的は、作戦会議だ。勇者、法術師、魔女、戦乙女、あと私の5人のパーティは結成された。
次に目指すのは、とうとう魔王の城だ。その為には、船で海路を進まなければならない。
「だけど、一つ問題があってね。」
机に身を乗り出し、魔女ナルシアは言う。ナルシアは実は超ミニスカートなので、酒場の人たちがみんな注目している。イケナイ魔女だ。
「海路を進むと、海の化け物、リバイアサンと戦わなければならないの。」
私たちの旅は始まったばかりだ。