home > 小説 > 3章「煉獄の王国魔女ナルシア」 > 3.14 煉獄の魔術とダークネス
「何が・・・起こったの・・・?」
私フリーディアは思わずつぶやいた。自分の目を疑った。
4人は、混乱状態。同士討ちをしている。
「これが、我の闇の力、ダークネス!
人の心の闇を増幅し、利用し、意のままに操ることができるのだ。」
勇者レイスの剣は、ナルシアの太ももの部分から両足を切りつけている。
ナルシアが放った魔法によって、戦乙女メイスはもう戦闘不能。
戦乙女レイスによって、法術士リーナは致命傷を負わされ倒れている。
法術士リーナの隠し持っていた短剣によって、勇者レイスは大ダメージを受け、血がとまらない。
比較的軽傷なナルシアも、
足を切られて血が止まらない、もう満足に戦える状態ではない。
はっきりいってほとんど全滅だった。私達は魔王に負けたのか。
「見るが良い。この哀れな勇者達の姿を。我が闇の力の前には、全くの無力ということだ!」
闇の魔王は、勇者レイスの持っていた騎士王の剣を踏み潰して根元からへし折った。
「これで、唯一の脅威だった騎士王の剣もなくなった。我を殺す手段は一つもなくなったのだ!
支配してやるぞ、人間どもよ!!ハハハハハ!」
高笑いをする魔王。私は成すすべなく腰が抜けてしゃがみこんでいた。