home > 小説 > 3章「煉獄の王国魔女ナルシア」 > 3.6 魔女と森とナルシア
私達は、煉獄の魔女が住むという「魔女の森」に来ていた。グロマイル王国から、徒歩約1日。私達レイス勇者パーティの住む村から徒歩3日。最初に挑むダンジョンといったところだ。
私は、訓練生メイスとの決闘ののち、無事に勇者達のパーティに加えてもらい、魔王を倒すための旅をしていた。
訓練生メイスとの勝負は10戦2勝8敗。1回目勝利は私の「ロイヤル三連撃」が上手く当たって1本取り、2回目勝利は訓練生メイスが足を滑らせて転んだので私が1本。それ以外は8本とにかく訓練用の剣で攻撃されまくり、今でも実は歩くのが厳しい。
「こらー!フリーディア!歩くのが遅れてるよ!」
訓練生メイスはスパルタすぎる。剣を始めて握った私に2本も取られたことを根に持ってるのだろう。意外と性格が暗い。旅の休みでは、訓練生メイスと剣の練習をさせられ・・・、いや、指導をして頂いていて、実はもう100戦以上して1勝もしていない。もっともその訓練の成果で、私は道で出てくる魔物くらいなら一人でも倒せるようになっていた。
「なぜ魔王を倒すのに、魔女を仲間にしないといけないの?メイス一人で十分じゃない?
わたしは率直な疑問を法術師の少女リーナに投げかける。
「魔王は、剣では傷つかないんです。剣でその体を切りつけても、すぐに回復してしまう。魔王を倒すには、聖剣ロイヤルソードを使いこなす勇者か、又は全てを焼き払う煉獄の魔術が必要になるんです。先の魔王との戦いで命を失った騎士王様の遺言です。」
騎士王様・・・。私の持ってる「騎士王ロイヤルナイト」のカードの親戚かなにかかな。
「みんな、おしゃべりはやめだ。着いたぞ。魔女の家に!」
煉獄の魔女。一体どういう存在なのだろう。