現場より仕事猫のストーリーのようなもの(ラノベ)

※この物語は、宣伝用に作られたフィクションであり、実在の人物・キャラクター・建築法規・物理の力学法則とは一切関係がありません。

図書館建設にあたり、真城麗奈は発注先の建設会社を決めかねていた。どの建設会社も請け負ってくれないのだ。その理由は、この図書館の建設難易度にある。

まず、この図書館は魔法で作られている。柱は存在しない。これがまずい。魔力により、空中に半永久的に浮き続けるものとなっている。魔力で浮遊すれば、地震の影響は受けないと考えたのだが、どこの建設会社も請け負ってくれない。免震装置の一種だと説明したが、認めてくれなかった。

しかし、あったのだ。一つだけ。この設計図書で工事をしてくれる建設会社が!今日はその打ち合わせに来た。

出てきたのは、一見猫のような担当者。

「今日、来たのは他でもありません。この図面の図書館を建てて欲しいんです。」

「・・・ヨシ!」

驚いた。その計画を一切聞かずに返事一つでOKを出したというのか。ちなみにこの建設物は、現在日本の法律では違法建築である。それを分かった上で、一発OKを出した。つまり、あらゆるリスクを考慮した上で、一発OKということなのか。

だが、問題はここからなのだ。

「実は、工期なんですけど、1週間で作って欲しいんです。お金はできるだけ安く。あと、内装はやっぱりすごく綺麗で。あ、日本からすごく遠いんですけど、○×地方産のタイルがすごく好きで、それは絶対に取り入れて欲しくて。ここ地下4層吹き抜けにして、上下階の吹き抜けとか複雑にたくさんあるんですけど、そこは上手く考えてもらって・・・。あ、あと近隣に迷惑にならないように、夜は工事しないでくださいね。」

猫の担当者は、無言で話を聞いているようだった。かなり無理な難題を言っているのは素人の自分でも分かる。だが、何も言わず、ただ黙って話を聞いてくれていた。

「・・・ヨシ!」

ヨシ・・・、それはOKということか。そもそも1週間というと、コンクリートの強度も出ないと思うのだが、それは何か手があるということか・・・。というか、役所への届け出は1週間で大丈夫なのだろうか。いや、もしや私が来ることを見越して、既にそれは全てクリアしている・・・?

はっ、そうか、もしかしてピー工法!ピー工法とはプレニャストコンクリートのことで、あらかじめ工場で製造したコンクリートの部品を現場に搬入し、ブロックのように組み立てる手法である。これを行えば、より短工期で建設が可能となるのか?

「よろしくお願いします!猫さん!」 
「ヨシ!」

こうして、令和始まって以来の史上最悪とのちに語り継がれる工事現場はスタートした。
次回、「絶体絶命!無限図書館!」図書館は無事に完成するのか?ヨシ! つづく